①『ソーセージエッグチーズマフィン』【ファミリーマート・ブランド、戸田フーズ(株)製】
②『Tropicana エッセンシャル鉄分』【キリンビバレッジ(株)製】
9月に入って一日目の朝メシがコンビニ飯です。
でも今日はゴルフではありません。
今日は朝一番でヘアカットを予約していたのを忘れていて、あわてて美容室に向かったのですが、意外にも道路が空いていたためか、思いのほか早めに着いてしまい、近所のコンビニのイートインスペースでの、時間を潰しながらの朝食になったというわけです。
まあチョイスしたコンビニ飯はそんなに変わったものではありませんが、それとは別に、あらためて見入ってしまった光景がありました。
それは、このイートインの席から臨む向こう側にある、すでに閉店してしまったレストランの建物です。
この場所は神宮前です。外苑西通り沿いに建つレストラン『Passe-temps(ぱすたん)』です。
このレストランが閉店してから、どれほど経ったでしょうか。
実は、私はこのレストランに一度も入ったことがありません。でも、いつも気になっていたお店でした。
かれこれ45年ほど前、田舎から上京してきた私が大学1年の時、東銀座のレストランでホールのアルバイトをしていました。
そのアルバイトの帰り、銀座線に乗り換えて「外苑前駅」で降りて、毎晩のように訪れていたのはこの界隈だったのです。
田舎から出てきた私にとって、この街の雰囲気、空気がまさに東京なのでした。
それも変にゴチャゴチャしていない、センスの良い大人達が静かに集う空間だったのです。
新宿や渋谷とは違う、ましてや田舎では全く経験できないような世界が、この神宮前から青山にかけての外苑西通りの界隈には広がっていたのです(あえて、私にとっては、です)。
そんな時、いつも気になってはいるけど、どうしても気後れして入ることを躊躇ってしまったお店が、この『Passe-temps(ぱすたん)』でした。
この街には、もっとお洒落で雰囲気の良いお店はいっぱいあったのですが、この『Passe-temps(ぱすたん)』は、他とは一線を画した、さらに別段階の世界を持つような雰囲気が感じられ、田舎者でも田舎者なりに、このお店への畏怖の念さえも感じていたのだと思います。
後で調べてわかったことですが、この店には多くの有名人が贔屓客となり、一見さんでは入り難いところだったということや、五木寛之のエッセイなんかにも登場しているお店なんだそうです。
やっぱり、私が意を決して入ろうとしても、簡単に入ることの出来ないお店だったかもしれません。
でも、そうこうしているうちに、お店は閉店してしまったわけです。
こうしてみると、やはり行きたいと思ったところには、迷わずに行ってしまわなきゃいけないんですね。
行かずにいたら、無くなっちゃうわけですからね。
本当に後悔しかありません。
コンビニのイートインの席から、不意に見つけた「閉店してしまったレストラン」。
私は「ソーセージエッグチーズマフィン」を頬張りながら、80年代の神宮前界隈に想いを馳せていました。
こんな「朝メシ旅」もあるし、悪くないものです。
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